主な著書『意味論的諸相――日英両語比較対照研究』(三省堂)、『ことばの意味』全3巻(平凡社)、『意味論の方法』(大修館)、『理想の国語辞典』(大修館)
男性や女性特有の形容詞について考えてみる。そこには、当然、男尊女卑的な発想の残滓が見られるだろう。しかし、注意しなければいけないのは、それらの意味の残滓が果たして現在の社会の感覚を反映しているかどうかという点である。
佐々木瑞枝(ささき・みずえ)
1942年京都生まれ。山口大学教授を経て、現在、横浜国立大学留学生センター教授。
主な著書『留学生と見た日本語』(新潮社)、『外国語としての日本語』(講談社)、 『女の日本語 男の日本語』(筑摩書房)、『女と男の日本語辞典』上巻(東京堂)
女らしさ・男らしさは社会の中でどのように形成されるのか。ジェンダーには社会的役割と文化的役割がある。話し手のジェンダーによって言葉遣いはどう変わるのか。日本語ではジェンダーはどう表現されるのだろう。ジェンダーは女と男の二項対立の図式では描けない。時代の社会観、権力関係によってジェンダーは姿を変える。
門倉 正美(かどくら・まさみ)
1947年東京生まれ。1971年東京大学教養学科卒業。1979年東北大学大学院文学研究科退学。文学修士(哲学)。山口大学教養部を経て、現在、横浜国立大学留学生センター教授。
主な著書『ヘーゲル哲学を学ぶ人のために』(共著、世界思想社)、『日本社会再考』(共著、北星堂)『あいまい語辞典』(共著、東京堂)、『現代の思想』(共著、金港堂)
これまでジェンダーにかんする議論は圧倒的に女性の観点からのものだった。男性の観点で、日本語におけるジェンダーの問題を考えてみたいと思っている。またイリイチの『ジェンダー』や『シャドウ・ワーク』を言語論として読み直すことや、談話論・文体論のレベルでのジェンダー差について関心をもっている。
笠原 仁子(かさはら・きみこ)
1954年大阪生まれ。1978年上智大学外国語学部卒業。1979年ジャパンタイムズ社入社。出版事務局にて主に単行本の編集を担当。現在、副編集長。
マスコミでは長くジェンダー表現に関する議論が続いてきた。特に女性が登場すると「女優」「女性作家」「女子大生」と女性を付けた「女性冠詞」を使用することが多かったが、現在では必ずしも女性の特性を強調する表現ばかりが使われるわけではなくなっている。こうした問題について、海外での現状もふまえつつ、最近の日本のマスメディアにおけるジェンダー表現の傾向とその背景について主に報告してゆきたい。
<大会の様子>
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