2024/5/11 updated
★ 2024年度の年次大会における研究発表は、予定通り2024年5月10日(金)24:00(JST)に締め切りました。
日時:2024年7月6日(土)10:00 - 17:50(予定)
会場:東京国際大学 川越第2キャンパス
住所:〒350-1198 埼玉県川越市的場2509
電話: 049-232-1111(代)
東武東上線「霞ヶ関」駅南口より徒歩13分
JR川越線「的場」駅より徒歩10分
交通アクセス:https://www.tiu.ac.jp/about/access/
<大会テーマ>「役割とジェンダー」
<参加申込み>→ 事前申し込みは 5/17(金)12:00pm - 7/4(木)24:00 (JST)
★ 基調講演:金水 敏 (放送大学)
「男女の話し方はどのように印づけられているか—ポピュラー・カルチャーを手がかりに—」
言語における男性主導性は確かに存在するが、それを「男性語=標準=無標/女性語=逸脱=有標」のように捉えると、「有標/無標」という用語の本来の意味を見失ってしまうおそれがある(cf. Spender (1986) [れいのるず秋葉(訳) 1987], 渋谷 2006: 58)。例えば現代日本語の標準的な使用において、一人称代名詞「オレ/ボク」は男性専用と言われるが、「オレ/ボク」を持つ男性語が無標であり、持たない女性語が有標であると言えるだろうか。むしろ「オレ/ボク」という“標識”を持つ男性語の方が有標ではないのか。
本講演では、単純な「有標/無標」の議論をひとまず措いて、日本語の発話様式における性の印づけを“引き算”(禁止)と“足し算”(推奨)に分け、特に前者を中心にどのような表現が誰に対して、またどのような動機付けによって禁止されているかという点を検証していく。その際にデータとして重視するのは、アニメ、マンガ、流行歌等の作品や、「ギャル文化」のようなポピュラー・カルチャーそのものである。なぜなら、これらの作品や文化は、日常における禁止事項を容易に乗り越えることができ、さらに誰が、いつ、どのように乗り越えているのかという点が分析しやすいからである。加えて、取り扱う現象の歴史的背景についても可能な限り言及する。
金水 敏(きんすい さとし)プロフィール
1956年大阪生。放送大学大阪学習センター所長、大阪大学大学院文学研究科名誉教授。日本学士院会員。東京大学大学院修士課程修了。神戸大学講師、大阪女子大学助教授、神戸大学助教授、大阪大学大学院人文学研究科教授等を経て、2022年4月より現職。博士(文学)。
専門は日本語の文法の歴史および役割語研究。主な著書として、『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(岩波書店、2003年/同現代文庫 2023年)、『日本語存在表現の歴史』(ひつじ書房、2006)、『コレモ日本語アルカ 異人のことばが生まれるとき』(岩波書店、2014年/同現代文庫 2023年)、『〈役割語〉小辞典』(研究社、2014年)がある。
<プログラム(暫定)>
7月5日(金)17:30 - 役員会
7月6日(土)10:00 - 17:50 年次大会
9:30 受付開始
10:00 - 10:15 開会の挨拶
総合司会:松村瑞子(九州大学)
10:15 - 11:30 基調講演
「男女の話し方はどのように印づけられているか—ポピュラー・カルチャーを手がかりに—」
金水 敏 (放送大学)
11:30 - 12:30 昼休み
12:30 - 15:00 パネルディスカッション
12:30 -12:40「パネル趣旨説明」x 3名
14:10 - 14:15 トイレ休憩
15:00 - 15:10 休憩
15:10 - 17:40 研究発表(発表20分+質疑応答10分)x 3~5名
17:40 - 17:50 閉会の挨拶 & 連絡事項
18:10 - 20:00 懇親会
<ホテル情報>
★川越駅(JR/東武鉄道)近辺の代表的ホテル:
・川越東武ホテル(川越駅直結):https://www.tobuhotel.co.jp/kawagoe2020/
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