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学会誌1号:巻頭言

 

「日本語とジェンダー」 刊行にあたって

日本語ジェンダー学会会長 佐々木瑞枝

 

日本語にひそむジェンダー表現を研究したい――日本語教育の世界で外国人学習者に教えながらも、男言葉、女言葉の存在や、いわゆるジェンダー表現のあり方について、疑問はつのるばかりだった。

東京堂から『女と男の日本語辞典』の執筆のご依頼を受け、語彙収集プロジェクトチームが立ち上がったのは、5年も前になる。研究会を重ね、読書会を通じて議論しあい、80名の方々の熱心な研究心に支えられて、2000年の春『女と男の日本語辞典』(東京堂出版)はやっと上巻を出版することができた。研究会を重ねる過程で学会設立の気運が高まり、大学の先生方、出版関係の方々、研究者、日本語教育関係者と共に2000年日本語ジェンダー学会設立の運びとなった。この創刊号は、産声をあげたばかりのささやかな学会誌である。

創刊にあたって、国広哲弥先生をはじめとする6名の学会創設メンバーが座談会を行い、日本語とジェンダーとの関わりへのそれぞれの思いを忌憚なく話し合った。くだけた話題の中にも当学会の守備領域の探究心をうながすものがひそむ座談になっていると思う。論文は本学会理事の日置弘一郎氏の「タメ口」に関する考察と、本学会事務局担当の渡部孝子氏による「子供向け日本語教材における性別役割分業の描写」の2本を収録した。
 
この学会誌が、少しずつ新たなジェンダーでの視点での言語研究のきっかけになれば幸いである。雪解けの小さなせせらぎが、いつしか大河に注ぎ込むように・・・。
 
2001年3月

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