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学会誌11号:編集後記

 『日本語とジェンダー』第11 号は、本学会の関心の中心とその広がりとをこれまで以上に明瞭に示すものとなった。「ことば」そのものだけでなく、「法」「古典作品」から「美人コンテスト」まで、本号に収録された諸論考の対象の多様さを見ると、人間とその社会の営為を「ジェンダー」という切り口から眺めてみることが我々の理解をいかに広げてくれるかということに改めて気づかされる。また、関心の対象だけでなく活動の場も世界に広がっていることは、昨年までと同様である。2010 年の年次大会にはハワイ大学から多数の参加を得、研究例会は英国エジンバラ大学で行なった。さらに本号は、大先達による論考に加えて、大学院生を含む若手研究者による意欲的な研究を多く掲載することができ、研究活動の発展に対する本学会の寄与を具体的な形で示すものとなった。経験の少ない人々の研究成果を公表するに至るまでには技術的問題をはじめ様々の解決すべき課題があったが、編集委員諸氏の献身的な努力によって、多くの若い可能性を表舞台に出すことができた。
 本号の編集作業が進んでいる最中、未曾有の大震災が東北地方を襲い、その影響の全容はこれを書いている今も計り知れない。本学会の関係者の中にも被災、あるいは並々ならぬ影響を受けている方々が少なくないだろう。実は、編集委員の中にもそうした方々があり、震災の影響を受けながら黙々と編集作業の一翼を担ってくださった。この場を借りて心から御礼申し上げる。また、被災された方々にお見舞い申し上げると共に、一日も早い復旧、復興を祈る。
 しかし、どのような苦難が来ようとも、対象から目をそらさず真摯に見続けること、それがきっと、我々に行くべき道を示してくれるはずである。本学会が今後も、本学会の身上である「関心の広さと深さ」を軸として、発展し続けることを願う。
 
(編集委員長 因京子)

 

編集委員(※は委員長)

 宇佐美まゆみ、小川早百合、門倉正美、斎藤理香、*因京子、日置弘一郎、山崎佳子、渡部孝子

査読協力者

 佐々木瑞枝

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